キミを壊すアイの言葉
[一切記憶にないけど](2/11)






もう何がなんだか。



茫然自失なまま朝を迎えて、何もする気がおきないわたしは会社を休んで産婦人科へ来ていた。



検査薬だって絶対ではないはず。

そんな一縷の望みを抱いて。



しかしそんな希望は、




「おめでとうございます」




声高らかに祝福の言葉をかける先生の言葉ひとつで簡単に打ち砕かれてしまう。



確定した。

わたし妊娠確定。

相手は佐久間で確定。



だって今相手いないしヤってない。



最悪。

あり得ない。泣きたい。全然おめでたくなんかない。




「…鈴原さんは出産は希望されてないんですね」




まだ診察中だというのに固まったまま一言も発しないわたしの様子を見て、望んだものでなかったと瞬時に理解する先生。



ナースさんにアイコンタクトで何か伝えて、頷いたナースさんから一枚の書類を手渡される。




「…え」

「よく考えて、次までにそれ書いて来てくださいね」




渡された紙に目を奪われている間に診察は終わってしまって、あっという間に次の患者さんと交代。



ロビーへ戻ってからも気の抜けた状態のわたし。



そんなわたしがどうやって家に帰ったのか、ほとんど記憶にない。






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