「あのねえ、最近ね、とっても不思議な気持ちになってるの」
ある日の昼休み。
俺は、屋上で過ごすのが習慣になってきていた。
「不思議な気持ち?どうして」
俺が聞き返すと、彼女はうつむいて眉を下げる。
「…最近ね、話しかけてくれる子がいるんだぁ。とっても嬉しい。とっても嬉しいんだけどね、なぜか耳に入らないの。どうしてかなぁ…」
………。
それは…。
「相当嫌いなんだね…?」
「う〜ん、それはないと思うんだけどなぁ…?ただ、彼女を見ると、自然と目と耳を覆いたくなるっていうだけで」
「うん!相当嫌いだね!?」
白咲さんが嫌う人とは、一体どんな人なんだろう。
よっぽどのクズ野郎なのだろうか。