「馬鹿なんじゃねえの?」
独特の機械音が溢れるゲームセンター。
そこのパチンコで生計を立てているゲーセン居候ニート、佐倉(サクラ)さんはパチンコ台から目を離さずに暴言を吐いた。
佐倉さんは、初対面にも関わらず、当時中学2年生の俺に「お金貸して〜」と半ば強引に金を引ったくられた仲だ。
ちなみに返ってきたことは1度もない。通報したら勝てるぞおい。
まぁここまで見事に腐りきったゴミ人間だからこそ、気を使う必要がない。だから、俺にとって居心地がいい存在なのだ。
さて、話を冒頭部分に戻そう。正直、クソニートジジイなんかのために10行も使うなんてもったいなかったな。
俺が学校で出会った純白少女、白咲ゆいのことについて、
そして心中しようと提案したことについて話した反応が、上のアレである。
「冷静に考えてみなよ青少年。お前の目の前にそんな美少女が現れるとかないからね、フィクションだからね?いや、10000000歩譲って現れたとする。まさにお前の頭上に雷が落ちる確率だ。そのくらいあり得ないけど、」
「うるせぇな!俺もいまだに信じられないと思ってるわ!自覚してるから泣かせにくるのやめて!?」
「悪い悪い。怒らないで〜」
ようやく一通りついたのか、パチンコ台から俺のほうに向き合ってくれた。
その表情に、反省の色は見られない。