YELL
[初恋の行き着く先は…](1/19)
赤
「行ってきます」
家のドアを開けた瞬間、道路をはさんだ向かいの家から真ちゃんが出てきた。
「おはよ」
「はよ」
同じ高校なのに、朝一緒に登校してくれなくなって随分たつ。
まぁ足の長さ違うし別にいいんだけど、って思ってふと顔を上げると、私をじっと見てる真ちゃん。
「ん?」
「千晃さぁ、彼氏おらんよな。好きなやつは?」
「何?朝っぱらから笑」
珍しく私の歩幅に合わせて隣を歩きだす。
「うちのクラスの秀太知っとん?背は少し小さいけどスポーツマンのイケメン」
「ん〜。名前は聞いたことあるけどよく知らない。顔見たことないし」
「お前さぁ、もう少しまわり見ろや」
ため息混じりに言われたけど、それそのまま返したい。
私の気持ちに全く気づいてない真ちゃんに。
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