甘党作家と祈りの手首
[市場](1/16)
「いた…いたたた…」
カーテンの隙間から差し込む太陽の光に眩しさを感じ、体を起こそうとして私は痛む腰を押さえた。
フリージアさんが色々とクッションやら毛布を用意してくれたものの、やはり寝返りも打てない幅となると体も強張ってしまう。
ボキボキと骨を鳴らしながらぐーっと伸びをして、朝の支度を済ませる。台所の方に向かうとフリージアさんはもう起きており、朝食の用意を始めていた。
「おはようございます!」
「おはようアルマちゃん。ソファでごめんなさいね。体大丈夫?」
「少々腰が痛みますが、いつもの事なので慣れてます…」
悲しい私の言葉に憐憫の眼差しを向けてくるフリージアさん。はは、私があの悪魔に普段どのような扱いを受けているか伝わったようでなによりです。先生にレディーファーストという女性を思いやる気持ち等、微塵も期待していないですはい。
「何かお手伝いすることはありませんか?」
「そうねぇ、もう少しで朝食ができるからロイドさんを起こしてきてくれる?」
「………はい。」
「顔に出ているわよアルマちゃん。」
あらやだ、いけませんね。私はすぐに顔に出てしまうので気をつけなければ。おほほと笑いながら私はそそくさと先生が眠る部屋へと向かった。
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