甘党作家と祈りの手首
[葬儀](1/6)
美しく咲き誇る花々に癒されながら、フリージアさんのお店に向けて歩いている内に、だんだんと日が落ちてきた。


夕暮れ時の心地よい風に吹かれていると、

ガロォンガロォン

と重厚だが神聖な、心に響く鐘の音が聞こえてくる。


その音の方向に視線を向けると、向こうから喪服に身を包んだ数人が丘を下ってくるのが見えた。

フリージアさんのお店はこの丘を越えた所にある為、私たちは道の途中でその人たちとすれ違う事になる。

「可哀想に

「まだあんなに若いのに


すれ違い様にボソボソと会話をする声が聞こえてくる。


「誰かのお葬式でしょうか

「だろうな」

短いやり取りの末に私と先生は、丘を登りきった。












- 10 -

前n[*][#]次n
/83 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

[←戻る]