夢見る私にささやいて
[Lesson 11](1/6)
解ってはいたつもり。
晴海とのこの関係が、永遠ではないことくらい。
ただ、あまりに非現実的で
いつ終わりが来るのか…
そんなことを考えるにはまったくもって…時間が足りない。
しかし、時は…
待ってはくれないのだ。
「…え?今、なんて言った?」
「だから、晴海先生が転勤なんて
寂しくなりますねぇ?って」
「… …え?今なんて…」
「これ永遠と繰り返しますぅ?」
職員室では隣の席の、数学の土居先生が呆れたように笑う。
「夏目先生、晴海先生から聞かれてないんですか?
って、まだオープンな人事ではないみたいなんで、当然といえば当然ですけど♪」
ニコッと人懐っこい笑顔でそういう土居先生は、いったいどこからその話題を入手したのか…
土居先生の情報網にはいつも驚かされる。
土居先生の話によると…
奥澤高校の姉妹校である他県の学校を、この度規模拡大していく方向が決定したとのこと。
それにあたって、養護教諭の補強人員として晴海の異動が決定したらしい。
「今晴海先生のお手伝いで入ってる飯島先生が、子育ても一段落ってとこで正式に奥澤の養護教諭をされるみたいですよ〜?」
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