……翌朝……
縁は自宅の自分の部屋で、考え事をしていた。
写真の裏に書かれていた詞を……。
縁は作治の残した詞を呟いた。
「『我が道は茨なれど…我子孫には花道を歩かせる…』か……」
「これにも何か意味があるはずなんだけどな……ん?そういえば、今って……」
その時下の階から、縁の母親が縁を呼んだ。
「縁っ!桃ちゃんが来てるわよーっ!」
どうやら桃子が迎えに着たようだ。
縁はドアを明けて母親に叫んだ。
「今行くよ!」
縁はそう言うと出かける準備をした。
準備をして下の階に行くと、リビングで桃子はモーニングコーヒーを飲んでいた。
縁は言った。
「おはよう、桃子さん……」
桃子は縁の顔を見て言った。
「おはよう……珍しいな……起きたてではないのか?表情がハッキリしている」
「ああ……今朝は早めに起きたんだ…」
「ふっ…いつもこうなら良いのにな」
縁の母親が桃子に言った。
「桃ちゃん、クッキーはいかが?」
「いえ、おば様……頂きたいのは山々ですが、すぐに行かないといけませんので……」
「あら……残念ね……」
「後日また……」
縁の母親は何故か桃子を気に入っている。
縁は言った。
「早く行こうぜ……」
縁がそう言うと桃子は立ち上がった。
それを見て縁の母親が言った。
「桃ちゃん……縁をお願いね」
「任せといて下さい……」
二人は縁の自宅のを出た。
縁の自宅を出た二人は、瑠璃の家に向かった。
瑠璃は今日は予定があったらしく、同行出来ないので、屋敷の鍵を借り、車を走らせて屋敷に向かった。
……雨家作治の屋敷……
縁と桃子は屋敷に入ると、すぐさま作治の書斎へ向かった。
縁は本棚を調べている。
本棚は3つ並べられていて、古い物だが高さがあり、それぞれ150cm程ありかなり大きい。
縁は言った。
「血痕の付いた本は一番上の段に入っていたようだな……」
血痕の付いた本は縦30cmはあった。あのサイズの本が入るのは一番上の段しか入らない……3つの本棚は全て同じタイプの本棚なので。
つまり血痕の付いた本は3つある本棚の上の段のどれかだ。
縁は呟いた。
「この段の本に血痕の……そして、この段の本だけが床に散乱していた……」
縁は顎をさすりながら険しい表情をしている。