泡沫の心緒
[死後](2/5)
莉穂side
死んだことと環に殺されたことを理解するのは容易だった。
環がすぐに後を追って来てくれたことも安易にわかった。
葬式も済んだらしい。
視界は1面真っ白な世界で私だけなのに、音だけははっきり聞こえてて、通夜や葬式の声が聞こえていた。
環は周りにいないのかなって不安になったけど、絶対近くにいるってそんな気がしてた。
最後に聞いた音は火が燃える轟音だった。
火葬されたんだってすぐに理解できた。
「…莉穂」
いつの間にか火が燃える轟音は無くなっていて静かな世界になっていて誰かが私を呼ぶ綺麗な声だけがした。
女の人の声。
「お母さん」
直感的にそう思った。
真っ白な世界で私だけがいる。
きっとここは死後の世界。
三途の川とかなくて、ただ方向も何も分からない真っ白な世界。
「莉穂、目閉じて10秒数えて。
10秒経ったら目を開けて」
言われた通りに目を閉じる。
子どもみたいに声に出しながら10秒数えて目を開けるとさっきまでの真っ白な世界はなくなって、綺麗なお花畑で、遠くに川の流れる音が聞こえる。
「莉穂」
今度はよく聞きなれた声が後方から聞こえた。
振り向くと真っ白な服の環と真っ白な服のお母さん。
環にかけよって抱きついて、環の存在を確かめる。
「環がどこか行ったのかとおもった」
「俺は絶対莉穂から離れないから」
「そうだね」
「莉穂、辛かったね。
たくさん悲しかったね。
莉穂頑張ってお母さんの年より長く生きてくれてありがとね」
「…頑張ってなんてないよ」
「それでもお母さんより長く生きてくれて嬉しい。
環くんがいたからだね」
「それはそう。
環がいなかったら私17で死んでたよ」
「それは早すぎる。
環くん莉穂を守ってくれてありがとう」
「いえ。
でも美咲さんは守れなかったです」
「そんな約束覚えててくれたの?
守ってもらったよ。
私の願いは莉穂を守ってもらうこと。
莉穂が守られててれば私も守ってもらったって思えるから」
「そうですか。
それならよかったです」
なんの話し。
私が知らない話をされるのは気分が良くない。
環は私のものなのに。
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