泡沫の心緒
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お母さんのことを考えなくなったら毎日が楽になった。
定時制高校で4年生まで学び、19歳の3月に卒業した。
ちゃんと高校卒業した。
環は高卒になったからちゃんと正社員として働きたいと、近くの機械製造工場に就職をした。
私は環と離れられないと思いつつも工場は見学したけど苦手で、環と離れることにした。
定食屋さんでバイトを継続して、時間は昼夕のフルタイムになった。
もうそんな生活も10年近くなるようになった。
私も環も28の大人になってる3月の半ば。
2人の生活が当たり前で、環は工場の中でもいい先輩になってるみたいで、収入もだいぶ上がった。
私もバイトの時給もあがった。
個人の店だから正社員とかそういう扱いはないけど、時期になればボーナスももらえる。
もう毎年の税務署への申告も慣れた。
もう大人で、アラサーで、2人で生活を始めた頃の17からしたらおばさんになった。
お母さんのこともあの人のことももう頭にはない。
毎日環と夫婦として過ごしてるだけ。
子どもは作らない。
いらないから。
育てられる気がしないから。
そもそもが行為が嫌だから。
「莉穂、兄貴の子ども来月から小学校に上がるじゃん。
今度の日曜さ兄貴の所にいかない?
お祝い持って」
「いいね。
お勉強セットとかじゃ嫌がっちゃうかな」
「でももらえたら嬉しくない?
土曜莉穂なんか予定ある?
なかったら買いに行こうよ」
「うん、行く。
京平くんに会うのも久しぶりだよね。
今年年末年始私インフルになっちゃったから去年のお正月ぶり?」
「そうだね。
1年会ってないと叔父さんのことなんて忘れてるかな」
「環ももう叔父さんで違和感ない年になったよね」
「ほんとに。
もう最近疲れが前より抜けないんだよ。
じゃあ莉穂土曜日買い物行こうね」
「うん。
ついでに新しい服買いたいんだけどいい?」
「うん。
好きなだけ買いな。
車もあるし、服ならいっぱい買っても持って帰れるからから気兼ねなく買いな」
私と環の生活はもう10代の頃とは違う。
依存しまくって、お互いにベッタリだった頃よりは落ち着いた。
今でも環に抱きしめてもらわないと寝れないけれど。
今でも環が私を甘やかしてくれることは変わらないけれど。
京平くんはもう38で、6歳の娘がいる。
毎年年末年始に環の実家として馴染んだマンションに2人で帰ったら京平くん達もいて毎年賑やかに過ごしてた。
環は姪っ子に甘々で可愛がってるところを見ると子供が欲しいんだろうなって思うけど、環も分かってるから子作りの話題は一切出さない。
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