玉菅玲人ポエム集
[僕と猫](1/1)

猫が執拗に甘えてくるのさ
それを温かく受け止めるのさ
一見そんな風に見えないのに
何故か甘えてくるのさ

幼い頃から猫を見かけていた
何の感慨もわかず通り過ぎていた僕
そして通り過ぎる君
触れ合うこともなかった僕と君

やがて年月はたち君に出会う
互いの顔を確かめるように
恐る恐る向き合う猫
そこにあるのは幼い頃の僕と君じゃない
新しく出会った僕と君
互いに意思を交わそうと
ただひたすらに見つめ合う

所詮人間と猫
僕と君では意思は通じないかもしれない
だから猫は甘えて擦りよったのさ

そして君は僕を抱き締める

君じゃない

猫は僕だ

君は僕の知らない世界で
知らない人の中で生きてるんだね
僕は甘えた
でも所詮は猫
君の全てを捧げてもらうことはできない

そう

何も望めない

年月がたって人も猫も変わってしまった
人に近付いた猫

僕が執拗に甘えてくるのさ
それを君は温かく受け止めるのさ



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