醜い女
[心も?](1/3)
その日の帰りは楽しそうにはしゃぐ同僚達と真反対の方向でいつも寄ってるコンビニで弁当を買って帰った。
その日の帰りはっていつもの事だけど。
いつもこう。
修学旅行の時だってディズニーランドで列に並んで順番とる係。
「ほんと!楠原さんと同じ班で良かったぁ!!」
そう言いながらお揃いの被り物して私以外のグループのメンバーが口を揃えて言った。
「そうなんだ、良かった。」
そう笑って唇を噛み締める事しか私にはできなかった。
いいえしなかったのよ。私は心が綺麗だから文句も言わない。
利用してるだけじゃん。その間あんたらはまたチュロスか何か買って写メとってさ。
その後、そのグループの女がTwitterにあげてた写真には小さく小さく本当に小さくうつむいている私が写っていた。
でも私は余裕のふりして列にならび寒空の下、必死に単語帳をめくっていた。
そんな思いで必死に勉強に打ち込んで入った大学でさえも私の居場所は無かった。
ううん、無かったんじゃない。
ありすぎてた
そんな事を思い出しながら家に戻り、時計を見るとまだ6時半。
今頃同僚達はお酒を飲んで楽しんでいるのだろうか?
ソファーに座るとどっと疲れが来た。
ガサガサとビニールの音を立てて弁当を出す。
………………………箸がない。
はぁ、、、取りに行くか。
立ち上がると
ガサガサ!!
立ち上がるときに弁当を下に引いていたビニールと一緒に引っ張ったせいで床にぶちまけてしまった。
「ああっもう!」
何なんだどいつもこいつもコンビニの店員もこの弁当も。
どうして心が綺麗な私にこんな仕打ちするの?
分からない分からない。
教えてほしい。なぜ?なぜいつも私??
私が悪いの?誰か!誰か!教えて。
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