休日(1/35)
たった数日で怒涛の変化を迎えたある日の休日。
学校も牙龍も、Messiahからも離れてることができ。
やっと心から安らげる、とユキを膝の上で撫でている時だった。
時刻は11時29分。
もう少しでお昼だなーなんて呑気に考えていたのに。
「楓ー?お出かけしよう?」
コンコンっとノックの音と共に受け入れ難い言葉が耳に入った。
うん?本気で言ってるの?
思わず固まってしまった私は返事をすることすらできなくて。
「楓ー?入るよ?」
そんな私を変に思ったらしい椿は、ゆっくりとドアを開き、私の姿を見つけると春に花が咲くように笑った。
「なんだいるじゃない。ユキちゃんも」
「ごめん。ぼーっとしてた」
「ふふ。楓らしいね!
久しぶりに二人でお出かけしよう?」
p.138
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