人質(1/39)
─────次の日。
いつも通りやってきた牙龍の総長御一行。
そして、いつも通り椿と家に入っていき、私は晴汰さんが運転する車に乗り込んだ。
あれ、昨日人質なったよね?抗争あったよね?
そう確認したくなるほど日常的な始まりだった。
昨日帰ってからも、椿とこの話をすることもなかったっけ。
「ありがとうございます」
「いえいえー」
晴汰さんは知ったのか知らないのか、結局変わらない態度に首をひねりながら校門の前で下ろしてもらう。
すると、いつも通り集まる視線、と思っていたら。
いつもより倍以上に厳しい視線が待ち受けていた。
「嫌な予感」
昨日に引き続き、嫌な予感が頭をよぎった。
p.43
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