恋を教えて。2
[蘇る記憶](1/7)


池上にお礼がしたくて土曜日に2人でおでかけ。
お礼されるほどのことしてないと言われたけど、オレにとってはやっぱり感謝してもしきれなくて。

「池上と2人ででかけるなんて初めてだよな」

「ほんとだよ。
なんでこいつと2人きりなんだよ」

「心の声だだ漏れてます、池上さん」

「だだ漏れてましたか、田中さんすいませんでした」

2人で笑って色々な店を回る。
ほんとこいつは整った顔をしているせいで周りからの目が痛い。
私服もかっこよくて、見惚れたほど。

「…なんだよ、ジロジロ見んなよ気持ちわりぃ…」

「心の声が痛いです、池上さん」

「今のは本音です、田中さん」

「やめてあげて!
これ以上オレの心の傷を抉らないであげて!」

「ははっ、お前の反応が面白くてつい。
なんで俺の周りって反応が面白い奴が多いんだろう」

小さく笑ってる池上をぺしっと叩く。
こいつはよく要ちゃんにもからかって笑ってる。
ドMとみんな言ってたけどドSだ。

昼を食べに店に入る。
池上も出すって言ってたけど、ここは
全部オレの奢り。

「ごちそーさん」

「おー、それよりお前髪伸びたな」

「な、いつの間にかこんなに」

肩に触れるか触れないかの長さで、池上は髪が邪魔なのか今日は髪を止めている。
男のロン毛はキモいと言うけど、こいつの顔立ちがいいせいか、むしろかっこよく見える。

「まぁもともと首が隠れるぐらいの長さだったんだけどな」

「なんで短く切らないの?」

「めんどくさいし美容院好きじゃないから」

長髪にメガネだと地味な印象があるけど、こいつは地味な印象は全くない。





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