恋を教えて。2
[互いの想い](1/11)


「今日も疲れたなー」

今は放課後で、少し残っていたから教室には誰もいない。
トイレへ行こうと席を立ち、1人で長い廊下を歩く。

「…ん?」

トイレの隣にある4組のクラス。
そこに人影が見え、それが一つに重なった。

窓は4枚あり、前の2枚は閉められていて中が見えない。
だけど後ろ側の窓が開いていて、前を通った時にちらりと見る。

「…え…?」

そこには、オレがずっと想いを寄せている人物がいた。
そして、教室にいる2人…伊織と女の子は唇を重ねていた。
伊織の手は女の子の胸を触っている。

「嘘だろ…」

見たくなかった。信じたくなかった。
女の子は苦手だって言ってたのに。

だけどどう見ても相手は女の子。

どうして。オレだけが好きって言ってくれたのに。
どうして。オレが他の人に抱かれたから?

今見たものを信じれなくて、信じたくなくて、トイレに行くのも忘れて走って家に帰った。

きっと、原因はオレにある。
伊織と別れ、他の人に抱かれ、そしてオレは伊織を突き放したから。

「…バカかよ、オレは…」

現実はいつもこんなんだ。
いつも残酷なことを押し付けてくる。

…幸せなんて、ほんの一瞬の出来事だったんだ。





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