恋を教えて。2
[打ち明けられた想い](1/13)


「あっついなぁ…」

「ほんとにね」

終業式をするために体育館へ行く。
オレの隣には沙耶がいて、喋りながら歩いていた。

「そうだ、田中。
来週暇?」

「暇だけど」

「遊園地のチケットあるんだけど、一緒に行こうよ」

隣でにこやかに笑う沙耶。
断る理由もないので承諾した。
性格はサッパリしてて男前。
だけど結構美人な女の子。

男にモテるのも頷ける。

もし遊園地で誰かに見られたら…と思うと寒気がした。





長い終業式も終え、掃除の時間。
廊下に出ると、杏菜と要ちゃんが窓を拭いていた。
楽しそうに笑いながら窓を拭く2人は微笑ましく、自然と笑が零れる。

「…うわっ、田中がこっち見て笑ってる」

「おいこら杏菜ぁ、なんでそんなに嫌そうな顔してんだよ」

前までは苗字で呼んでたけど、いつしかオレは名前呼びになっていた。
杏菜も特に気にしてない様子だったので、苗字呼びに戻すつもりはない。
杏菜とじゃれていると、後ろから引っ張られる。

「こら田中!
自分の仕事しなさい」

振り返ると、少し怒った顔をした沙耶がいた。

「はぁーい…」

「ぷっ、ざまぁ。
沙耶ちゃんその馬鹿よろしくね」

「まっかせといて!」

「杏菜あとで覚えてろ!」

オレと杏菜のやりとりに、要ちゃんも沙耶も、少し笑っていた。




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