快楽に溺れ、過ちを犯す生命体【アナザーストーリー】
[早く逃げたい…](1/1)
早く中学を卒業したかった。
早く家を出たかった。
どこでもいい、とにかく母親の下から逃げたかった。
そして父親が今、何処に住んでいるのか?
母親はしっているはずだ。
だが、それを言えば、オレが父親に会いに行くと思い、言わなかったのだと思う。早く母親の下から離れる事が先決だ。
何故親子が肉体関係を持たなきゃならないんだ?
まだオンボロアパートで朝方男を連れ込んで情事に耽っていた頃の方がマシだった。
当時は母親と過ごす時間があまりなかった。
母親と一緒にいたいと思っていた時期もあったが、今は店を他の人に任せ、殆ど顔を出さなくなった。
それが今や息子の身体を弄ぶセックスに飢えた女に過ぎなかった。
母親は何不自由なく、オレが欲しがる物を買い与えてくれ、そして小遣いが欲しいと言えばいくらでも渡してくれた。
オレは母親の夜の相手をする代わりに小遣いを貰っていた、つまり実の母親に買われていたという表現の方が正しいのか…
親子同士で売春をしてるようなもんだ。
進路をハッキリと決めなければならない時期に差し掛かり、オレは随分と悩んだ。
中卒で働く事も考えたが、現実的にそれは難しいだろうと思い、断念した。
今はこれといった目標は無いが、高校に入り、そして大学に進学しよう、それまでの間に何かやりたい事が見つかるはずと漠然と将来の事を考えていた。
じゃあ、何処の高校にする?そしてどうやったら母親の下から離れ、生活するか…
学校の担任や自分でもネットなどで色々調べてみた結果、
オレの出した答えは《奥多摩郊外》にある、
全寮制の私立大学付属高校への進学だ。
問題は母親がその高校に行く事を許してくれるのだろうか?
間違いなく猛反対するに違いない。
金の事もある。
もしオレに入学金を捻出できる金額があれば何の迷いも無く、この高校を受験する。
ならばどうやって母親を説得させるか?
そんな事を考えてるうちに、いつの間にか深い眠りについた。
翌朝、下半身がムズムズする。
布団をがばっとめくると母親がいつものように朝勃ちして膨張したモノを咥えていた。
「このオチンチンはワタシのモノだからね、フフっ」
そう言ってまた激しく上下に口と手を使い、イカせようとした。
15のオレには刺激が強すぎる。
あっという間に射精してしまった。
「フフっ今日もたくさん出たわね。また夜にしてあげるからね」
母親は口内に出した精子を全て飲んだ。
「これのせいで肌の調子が良いのよね…」
まるで蛇に睨まれた蛙のような心境だ。
貴方はワタシから逃れられない…
そう言いたげな視線だった。
(早く逃げたい…1日でも早くこんなバカげた行為を止めないと)
とにかく学校から帰ったら、オレの胸の内を母親に伝えてみよう。
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