ソウセイジ
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けたたましく鳴り続ける無機質な音に
若干の、いや、かなりのストレスを感じながら


アラームを止めるために手を伸ばす。



睡眠の世界に片足を突っ込んだまま
伸ばした右手は、

しばらく朝をかき混ぜてからやっと、
パシッ とスイッチを叩いた。




まだまだ起きようとしない頭に鞭を打って
ベットから身体を引き剥がす。




お父さんに無理を言って解体してもらった
二段ベッドは、

上段で寝ていたあの頃よりも、
随分と降りやすい。



早起きは三文の徳なんだから、
朝は余裕を持ちなさい。


って昔からお母さんに
よく言われてきたけれど、

あたしは古くさ、なんて思って
一度だってその教えを聞けたことがない。



だってあたしの代わりに、
その古臭い教えをもう17年も

律儀に聞き続けてる人がいるからだ。




時計の横に置いてある携帯電話を
手に取って部屋を出る。





家を出る何時間も前に起きて、

しっかり朝ごはんを食べて

お弁当を作って、


行ってらっしゃい

の声をきちんと背中に受けて、



そういうことができるひとを
あたしはひとり、


知っている。

















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