パラドール
[パスワードって面倒くさい](1/4)
大木屋は確かに徒歩3分だった。毎回通ってるのに知らないもんだなぁっと感じた。
「ちなみにメイリーはお酒とか飲んだ事あるの?」
メイリーは少し考えた。そしてパラパラとメニューを見るとパタンと閉じた。
「読み込みを完了いたしました。何なりとお申し付けください」
「違うって・・・まさかパスワードかかってんのか?」
パスワードとは、知らない人間には事務的な会話のみでパスワードを知る人間や承認している人間に心を許すというなんとも面倒くさいロボットだ。パスワードもまたXXT型の特徴で一般のパラドールにはこの特徴がない為、自然と嫌な性格のロボットや相性の悪いロボットが出てきてしまう
だがそれは単に介護犬に芸を仕込むのと似ており、あくまでパラドールにそういう指示を出しているだけである。
「じゃあ解除してくれない?その機能」
「申し訳御座いません、声帯パスワードが掛かっていますので、ご本人に確認していただけないと」
「くっそ!面倒くさいなぁ!」
僕はそう言うと時代遅れのガラパゴス携帯を開いた。
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