漆奏
[電脳力現](1/11)
翌日栞は1人ネットカフェに来ていた。
パソコンの前で躊躇いながら、電源を入れる。
店内のクラシックオルゴールが、余計に気持ちを煽る気がする。
「えーっと…」
やがて、電源かわ入ったパソコンの検索画面にPARANOIAと打ち込む。
検索結果は、何故か一つしか出てこなかった。
奇妙には思ったものの、私はクリックした。
突然画面が切り替わる。
一瞬驚いた。
黒の背景に赤色の文字でPARANOIAと書かれた画面。
「何これ…」
気味の悪い画像の下に沢山のリンクが有る。
名簿、最新情報、サバイバルゲーム、その他諸々とあったが、私はまず名簿をクリックする。
再び画面が切り替わり、人の名前らしきもので埋め尽くされた。
マウスでどんどん画面下へスクロールさせる。
「私…の名前…」
いくらか予想はしていたが、そこには私の名前が記入されていた。
私は、息をのみ自身の名前をクリックする。
次に画面が切り替わった時、私は気持ち悪さを覚える。
【瑞乃 栞 (ミズノ シオリ)】
年齢17歳
性別女性
○○市在住
失ったモノ 弟
私の情報…何で…
極めつけは、私の写真までそこにUPされていた。
森田はこれを見て私達を捜していたのか。
私は気持ち悪さに、前のページへと戻った。
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