義理ギリウーマン
[「ただいま」からの争奪戦](1/11)

りっくんに車に乗せられた後、店長も私と同じ車に乗り込み、一緒に荷物を持ってmarbleに帰った。


車の中でずっと心配だった事を店長に聞く。


「店長、、。

ちかさんとせっかく仲直りしてまた一緒に暮らせる事になったのに、、すみません。
恋人なのに引き離すような真似して、、。

店長とちかさんの気持ち知ってるくせに図々しくて、、。

あの、、
私今までの倍一生懸命働きます。」


戻る決心をした今でもその事が引っかかって、心苦しい。

隣に座る店長に向かって頭を下げる。


「あーっと、、 俺とちかは別に。
そういう関係じゃ、、

仲直りはしたけどそういう関係じゃない、、。」


気まずそうに頭をポリポリかきながら店長が目をそらす。


「えっ!?はっ!!えっ!!!ええ!?

じゃああのちかさんとの熱いキッスはなんだったんですか!?!?」



身を乗り出して店長に詰め寄る。


「あーははは、、、いやあ、、、
あれはお互い別れのキスっていうか、、挨拶っていうか、、、

っていうか見てたのかよ!!!!!」


ビックリしすぎて開いた口が塞がらない。


「っさ、、最低!!ここは日本ですよ!!」

興奮する私に店長が
ちょっと待てちょっと待てと肩を持ってなだめにくる。


「何か誤解してるみたいだから言っとくけど俺たちはちゃんと話あって納得して終わったんだよ。
お互い大人になったつうか。

でも多分それもみゆが居ないと出来なかった。

お互いこじれて時間がたちすぎてたし。
俺も多分気持ちに区切りつけれないままずっと引きずってた。


たまたま聞いたんだよ。
聞いちゃダメだとは思ったけど、ちかが戻ってきたあの日みゆが許さなくていいから仲直りしてほしいって熱弁してたの。

それ聞いて俺もかなり気持ち楽になったんだ。

だからちかとも仲直りできたしあんな風に普通に戻れたんだ。


店長の顔はどこかスッキリしていて本当にこれで良かった、そんな顔だった。



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