義理ギリウーマン
[チャッピーwithこーちゃん](1/16)
たっくーはあの一件以来、私に随分優しくなった。
りっくんやこうちゃんと比べると、前から一番優しい方ではあったけど偽物が本物になったというか。
うまく言えないけど、冷たかった笑顔が温かくなった気がする。
朝起きて鏡に移る髪の毛の短い自分にはまだ少し慣れないけど、これはこれでとても気に入っている。
会社に行くとまなみさんと赤城が心配してくれていたのか、私のきちんとカットされた髪を見てほっとしたような顔をした。
そんな日の仕事終わり、いつものように自転車をこいで帰っていると、道路脇に拾って下さいと書かれたダンボールが置いてあるのを見つけた。
思わず自転車を止めて中を覗くと可愛らしい真っ白な子犬がキュンキュンとないていた。
誰かが捨てたんだろう。
なんて酷い奴だ。
でも拾ってあげれない私もこの子にとっては酷いやつなんだろうな、、。
連れて帰りたい気持ちをぐっとこらえる。
「私だけの家じゃないから拾ってあげられないけどごめんね。」
そう言って子犬の頭をなでて再び自転車に乗った。
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