魔 獣 の 姫
西の砦 サウザニア(1/26)
王宮西口中庭にて。
4人が集まり、魔法部隊と魔獣部隊の者達が雑談をしていた。
「さて、んじゃあ行くか。西の砦に」
「うん。はぁ〜緊張する…」
バサッとマントを身につけ先人をきるのは、魔法部隊隊長のシン、そしてその後ろに続くのはシエル。
「シエル!緊張することないよ。大丈夫だって」
シエルのそばで励ますのは魔獣隊のルーラ。
「そうそう♪いざとなればシンと僕が守るから大丈夫だよ♪」
そして明るくニコニコと話すのは、まるで女の子のように可愛らしい魔法隊のハルカという少年。
ちなみにシエルはさっきまで、シンに言われるまでがちで女の子だと思っていた。
今回は異例ではあるが、どちらの隊長も参加し、それに隊員を一名つけたパーティーで任務につくことに。
そして今、西の砦に向けて出発しようと城壁をくぐっていた。
「シン〜、まさか歩いて行くの〜?僕、それだけはヤダよ」
「文句言うな。もちろん歩くに決まってんだろ?魔法使うの勿体無いからな」
ここから西の砦までは歩いて3日の距離。
ハルカが歩きたくないと言うのは当然の話だった。
文句を言いつつも城から離れ、森の中を突き進む。
豊かな緑に、澄んだ空気。
あちらこちらから魔獣たちの楽しげな声がシエルの耳には聞こえていた。
そこでシエルは、ふと立ち止まる。
「シエル?どうした?」
「……じゃあ、乗せてってもらう?魔獣たちに」
シエルの発言に一同、は?と口を揃える。
「し、シエル?何言ってるの?魔獣たちは連れて来てないんだよ??」
「ううん。ここの魔獣たちに乗せてってもらうんだよ。ちょっとまってて」
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