ぺらっと一ページ目を開くと、そこには訳のわからない文字がつらつらと書いてある。
(見せるか迷っていたって言ってたけど、…これじゃあ読めないじゃん…)
モアに教えてもらった文字ではなく、そこに広がるのはおそらく古代文字。だが、ページの隅に目をやると読める字でなにか書いてある。
「…ペルス…?」
書いてあるとおりに発音すると、一瞬視界が歪み元の視界へと戻る。
そして、変化が現れた。
「あれ…読める…。全くわからなかったのに!もしかして…解読魔法だった?」
どうやら書いてあったのは読めないものを読めるようにする魔法呪文だったようだ。
見えるようになったのをいいことに早速読み始める。
「昔…ってこれ最初はお伽話?…」
シエルが読んだものをまとめるとこうだ。
まずはじめに、神は人のみが生きる世界を作りだした。
が互いに争い崩壊していく姿を見て、魔獣を化身としてこの地へと生み出した。
この世界を監視するため、均衡を保つためにと。
たが、魔獣と人とでは力の差がありすぎる。
そこで人に魔法という力を与えたのだ。
白の魔法から、6つの系統に分けた魔法を作り出し、神を1、魔獣を2、そして人を3というふうに位(順位)をつけた。
そして魔獣の中に、白の王という存在を作り、その者にこの世界の番人と言う肩書きをつけたのだ。
白の王は魔獣から生まれたように、受け継がれるにも純粋な魔獣の血を必要とするようにした。
これなら、人と交わることなく白の王は神の子として、その存在を持ち続けると。