魔 獣 の 姫
少女の存在(1/9)



 





(……またこの夢……)





過去の自分の姿を夢で思い出しうんざりする。






暗くて寒い光のない部屋





あれから成長した白く細い両手両足には自由を奪う鎖





長く綺麗に伸びた白い髪の隙間から見える首にも、重い鉛がついている




少女の気持ちとは裏腹にすくすくと成長していく胸には、赤い痕がちらほらと白の肌に浮かぶ。




「………ぁ…………」




もう何年もまともに話していない




簡単な言葉しか出てこない、だから





助けを呼べない。いや、もう諦めた。






だってどうせ、また、違うところに連れて行かれるんだから。








ギギギッ………



重い扉の開く音と共に光が入ってくる。





ほら、また迎えが来た。









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