最後の1週間
[2月16日](1/1)

今日は最悪な1日だった。


嫌な事は続くんだなと思った。




今日の昼頃にはもう地元について駅から歩いて1時間ほどかかる、母親の暮らす団地まで向かった



そういえば電話してなかったと思って久しぶりに電話をかけた。



ーおかけになった電話番号は現在使われておりません。



番号変えたの、普通息子に言うだろ



そう思いながらも歩いていたら地元に就職した中学の時の同級生が車から顔を出して声をかけてきた


久しぶりーとか、元気ー?とか、
たわいのない話をしていてふと出たのが
「そういえば最近スーパーでお前の母ちゃんみねえなぁ。」
そんな言葉。


俺が小学生の時からそこで働いていて大学生になった後も働いていたはずなのに急になんで



俺はよっぽど不安げな顔をしてたのか友達は車に乗せてくれた。



ついた後、友達には帰ってもらって俺はまっすぐ母親のところに向かった



不用心にも鍵はあいていて
ただいまなのかおじゃましますなのか
迷った末に「母さんー?」と声をかけた。


ドアを完全に開けて気付いたのが空き缶の山。

そしてどれだけ放置したらこうなるんだと言いたくなるような匂い


その根元であろうゴミ袋の中には大量のカップ麺のからが入っていて袋の下に溜まっている汁は白や赤や緑のカビが発生していた。



一瞬本当にここに母親が暮らしているのかと疑った。


でも玄関に飾ってある小さい棚は俺が中学の時に作ったものだし、玄関マットも見覚えのあるもの




でも、靴だけは見覚えのないものがたくさん置かれていた。


赤いピンヒール、オシャレなブーツ、本革の高そうな靴




意を決して中へと入り探した。


部屋数も多くないから探すと言っても一番に向かったのが母親がよくいた場所



扉を開けると鼻につく香水の香り


そしてこたつでだらしなく寝ている母さんがいた。




「母さん」と声をかけるとすぐに目を覚まして驚いたように目を見開いていた


そしてすぐにその目は俺を睨み付け、最初に言った言葉が「何しに帰ってきたの?」だった。



俺の知っている母さんは俺のためにと頑張ってくれて、料理は苦手だけど綺麗好きで、辛いことがあると酷く落ち込むけど外では普通の人と変わらない笑顔を周りに見せれる人で、自分で言うのもあれだけど俺のことが大好きだと思っていた


こんな冷たい目をみたのは初めてだった。



そして母さんは無言で立ち尽くす俺にため息を吐いて反対側を向き、そのまま寝てしまった



頭が追いつかない。


俺が母さんをこんな風にしてしまったのか?




ふらふらと部屋を出て玄関に向かおうとして缶につまづいた。


その時、ほっとけないと思ったのか
また好かれたいと、嫌われたくないと思ったのかわからない

気付いたら片付けを始めていた。



結構うるさくしているのに母さんが起きてくる気配はなくて、だから片付ける事は許されていると思うと何故か少しだけ嬉しくなっていた自分が気持ち悪かった



気付いたら外は真っ暗で、携帯を見ると18


部屋ではアラームが鳴って電気が付いた。


そして40分後くらいに派手な化粧と派手な服を着た母さんが出てきた。




「片付けるのは別にいいけど勝手に持ち出さないでね。」


俺の目をみることなくそう言って、そのまま出て行った。


ああ、今の母さんには俺が物を盗むように見えるのか




俺は期待していたのかもしれない。


母さんなら俺が死のうとしている事に気付いてくれるかもしれないと。


そして優しい言葉が欲しかったのかな



もうわからない



何も考えたくなくて無心で片付けをしていたら深夜になっていた。


部屋は片付いても俺の心の中はぐちゃぐちゃで少しでも手を止めると色々なことを考えてしまう



ああ。あいつらにも早く返信しないと心配されてしまう。



夜中に更新してしまってごめんなさい


取り敢えず今日の分はこれで終わり


また明日。


- 5 -

前n[*][#]次n
/16 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

[←戻る]