やがて骨まで透明に
[溜息と糖分](1/6)
嗚呼、また無駄な1日にだったのかもしれない
と、いう意味を込めて溜息を吐いてベランダに
むかい鍵を開けて、別に好きでもない煙草を吸
った。
灰皿は部屋には置かない。
部屋の白い壁がヤニで黄色く汚れると、たまに
来る几帳面な母が嫌がるから。
いや、憂鬱で重たくまとわりつくこの臭いが残
ったまま朝になったら、まだ夜が明けていない
ように感じて哀しくなるから。
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