[「脳」](1/18)
(笑ってくれ、笑ってくれ、笑うんだ。……もし、オレの気持ちが伝わるのなら……)

私は額に汗をかいていた。
目の前には、世に生を受けたばかりの私の子供、「翔」がいた。

人間はこの世に生まれ、あとは死への恐怖が年ごとに増す。

30歳に手が届きそうな私にとっても、死というものは徐々に押し迫ってくる現実的な恐ろしさなのだ。
もし、40歳、50歳にでもなれば、その恐怖は計り得ないものとなって、私の上に降りかかってくるだろう。


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