恋々
[裏事情](1/11)




辺りがすっかり暗くなった頃
私は1人、治安が悪いと有名な
この場所を歩いていた




地面に座って騒いでいる5人組の男が
私を見て大声をあげた




「ちょーーーー美人はっけーーーん!!」

「まじっ?うわっまじじゃん!!」

「おねーさん1人でこんな所彷徨いちゃ危ないよ?」

「俺達が一緒に行ってあげるーー!」

「てか、俺らと楽しい事しようぜ?」



囲んで一斉に話しかけてくるカラフル頭を
ひたすら無視して歩く私に
男達はしつこく絡んでくる



「ねぇー、シカト??」

「俺らが遊ぼって言ってんだけどぉー」

「てか、セックスしない?」

「お前それはねぇーだろー」


ギャハハと汚い笑い声をあげる男達の
1人が私の肩に腕を乗せた

その瞬間ピタッと足を止めて




「汚い手で気安く触んじゃねーよ」



低い声を出した。






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