(BL)アナタとワタシのハッピーエンド
[迫る決断の時](10/10)

明け方早くに義希は一人誰もいない海へ…
服を脱ぎ捨てまだ、少し肌寒い水の中へ

身体には薄くなったとはいえ
まだ恥ずかしい達也の残した跡が見える

水へ潜り体を波に委ねて義希は一際輝く陽の光に目を奪われていた

浅く、深く呼吸を繰り返し
続ける想いと
断ち切る想いを感じた


部屋でカッターナイフを手に
手を当てた時
優しくそれでも厳しい達也の声を聞いた気がした

安らぐ熱は安堵の涙を誘って
髪に、頬に唇に触れる
強い、けれど穏やかな心に
自分がどんな自分であれ受け止めてくれる人なのだと
そう、思った


小さく笑う


胸にいつまでも依存するナオミは
きっといつまでも消えない

この想いを自覚したあの日
あの一瞬、一気に深い海底へと堕ちた気がした
止まらない涙に一生消えない想いなのだと予感した

夢の中で何度も手を伸ばし
行かないで、と繰り返して
現実の酷い仕打ちに
手首に傷を付けて逃げた


自分が決めなくてはならなくなった選択肢を
しっかりと進まなくては、と
義希は水に潜る

『弱くねぇよ』

手首を押さえ大丈夫だと気持ちを鎮める


髪を掻きあげて
側に置いたタオルに手を伸ばした時

その向こうで砂を踏む音がした


























“達也”
J目次:呼ぶ名前2



“ナオミ”
J目次:呼ぶ名前1







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