(BL)アナタとワタシのハッピーエンド
[夏休み](1/13)


キスが頭から離れない…










表面では変わらない日常を幾日かやり過ごし
いつしか夏休みに入っていた

ナオミに対する痛みと
達也に対する痛みに
義希は軽い酸素不足になっていた

不意なナオミとの距離を図りかねて
達也の手のひらが脳を支配した


だから
いつもより遅い目覚めに伸びをして
誰にも会わない休みに義希は安堵を繰り返していた



去年はナオミと四六時中一緒にいて
得意不得意の課題をしていた
その合間に仲間5人で遊ぶ
そんな毎日だった

「今年は…彼女、か…」

義希はノルマをこなすべく
机に向かい勉強にかかる

早めに終わればのんびり遊べる

そう言ったのはナオミだった
それ以降義希は早めに終わらせるようになっていた






「………。」


苦手な教科にぶち当たる
頭を抱え
シャーペンを放り出し
これはナオミの得意分野だと
ため息を吐いた時





携帯電話が鳴り出した


『ナオミ』


相手を告げる文字を見て
一瞬息を止めた

思い出した瞬間これはないだろうと
伝わらない愚痴をこぼして

両手で電話を握りしめる
それはまるで祈るように…

鳴り止まない機械に義希は意を決した


「もし、もし…」

『俺…



お前今煮詰まってない?課題』






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