おだんご禁止令!
 4*言い訳 (1/28)





体育祭が始まっても、私の心には重くのしかかるものがあった。



『似合わねぇよ。』



慣れていたはずの西織の声が、こんなに悲しいなんて。



唯一誇れたダンスは、フリさえ間違えなかったものの
とってつけたようなぎこちない笑顔で終わった。



「よもぎ!」


競技と競技の合間に、さくらと小夏が駆け寄ってきた。



「やー、よもぎのおだんご久しぶりに見た!
可愛い可愛い。」


小夏が、乱れた前髪を直してくれながら褒めてくれる。



「よもぎ?
…また何か言われたの?」


私の表情から何かを読み取ったのか、さくらが眉尻を下げてそう尋ねてきた。



「…なんにも。」


「…また優哉?」



“優哉”


その名前を聞いた瞬間、私の中でプツリと何かが切れた。



「も…やだっ…。」


ポロリ、と

一粒の雫が目の淵から転がり落ちる。



「…よもぎ。」


「ど…して嫌われてるのか…分からないっ…!」



私の何かが気に入らないのだろう。
けれど、その“何か”が分からない。


好かれたいなんて、
特別になりたいなんて、望んでいないのに。

ただ、
他の子と同じように
笑顔を向けてもらえて
意地悪を言われなくて
そんな風にしてもらいたいだけなのに。



「…よもぎ。」


「優しくないのに…なんでっ…!」


なんで…

好きなの。


どうして西織なの。




※りお様、kzk様、かな様、しゃくなげ*様
レビューありがとうございました(○-艸・)*:゚・☆
長く更新できなかったのに
待っていてくださり感謝です(;_;)
また、
サイト用にページジャンプ機能を取り入れました。
アプリで読んでくださっている方にも
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満足していただける作品になるように頑張ります。
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