親指姫
[旅立](1/1)


「お前がそう言うんだったら、方法がないでもない」


「普通の人間になれるんですか?」


親指姫が言った


「成れるには、成れる…ただ…私にはその魔法は使えない、魔法使いも万能ではないからね、一人で何でも出来るわけじゃないんだ、でも、その魔法を使える者は知っている」


「何処へ行けばその人に会えるんですか?」


お母さんが訊いた


「今、会っても無理だろう、その魔法を受けるためには、ある程度の経験値が必用なんだ」


「経験値?」


二人は首をかしげた


「今まで、お前は両親に助けられてばかりいたよね、それはそれで仕方のないことだった。でも、それだと、経験値を高めるということが出来ないんだ、どうだい、しばらく一人で生きてみるかい」


「そらは無理です。家の外は危険です。犬や猫、他にもたくさん危険な動物がいます」


お母さんが涙を流しながら言った


「無理なら、今のままのさ」



- 15 -

前n[*][#]次n
/45 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

[←戻る]