親指姫
[旅立](1/1)
「お前がそう言うんだったら、方法がないでもない」
「普通の人間になれるんですか?」
親指姫が言った
「成れるには、成れる…ただ…私にはその魔法は使えない、魔法使いも万能ではないからね、一人で何でも出来るわけじゃないんだ、でも、その魔法を使える者は知っている」
「何処へ行けばその人に会えるんですか?」
お母さんが訊いた
「今、会っても無理だろう、その魔法を受けるためには、ある程度の経験値が必用なんだ」
「経験値?」
二人は首をかしげた
「今まで、お前は両親に助けられてばかりいたよね、それはそれで仕方のないことだった。でも、それだと、経験値を高めるということが出来ないんだ、どうだい、しばらく一人で生きてみるかい」
「そらは無理です。家の外は危険です。犬や猫、他にもたくさん危険な動物がいます」
お母さんが涙を流しながら言った
「無理なら、今のままのさ」
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