弐の姫
女王の元へ(1/24)
それはあまりにも突然の事。
蓮姫とユリウスとチェーザレが午後のティータイムを楽しんでいると、ユリウスから一瞬で表情が消え去った。
「………。チェーザレ、蓮姫を連れて奥の部屋に行け」
「ユリウス?」
「どうしたの?急に?」
「いいから行け!早くっ!!」
普段のユリウスからは程遠い切羽詰まった表情と口調に、チェーザレは蓮姫の腕を掴むと部屋を飛び出した。
「ちょっと!チェーザむぐっ!?」
「黙っていろ」
部屋に入るとチェーザレは蓮姫の口を塞いだ。
「……………行ったか。…さて」
遠くからバタバタと階段を駆け上がる複数の足音が聞こえる。
ソレは段々と近づき、部屋の前に来るとピタリと止まった。
コンコン
「どうぞ」
ガチャ
「ユリウス様」
「これはこれは、天馬将軍。そんなむさ苦しい面子を大勢引き連れて、俺達に戦でも仕掛けにきたのかい?」
「冗談を言っている場合ではありません」
「久遠殿は相変わらずだね。黙っていれば麗しいというのに。軍人なんて似合わないよ。勿体無い」
ユリウスの言葉に、久遠と呼ばれた青年は顔をしかめる。
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