マンガ好き女子の恋物語
勉強会(1/16)
……なぜ、
……なぜ、
………こんなことになっているんだ?
中嶋くん家で勉強会をしようと
日曜日、優実と一緒に教えてもらった中嶋くん家の住所を
地図で調べながら歩いていると、
目の前に彼女が現れた。
「…あれ?
…山口さん、何でここに?」
「えー。
河坂さんが言ってくれたんじゃん!
『私も勉強会参加したい。』って言ったら、
『良いよ。』って!」
「…は!?
私そんなこと言っ」
「私嬉しかったんだ。
河坂さんと仲良くなりたかったし、
あっ、もちろん窪田さんともね♪」
「えー…。」
「中嶋くん家、もう少し先でしょ。
約束の時間遅れちゃうよ!」
「あっ!ちょっと山口さん!」
一方的に話を進め、
私たちより先に中嶋くん家へ向かう山口さんに、
ただただ驚くばかり。
その様子を見ていた優実が口を開く。
「恋のライバル宣言から、頭角を現してきたね。」
少しニヤッと笑った優実が
楽しそうに見えて、うんざりする。
優実と香澄には
山口さんとのやり取りについて報告した。
報告した時、
優実は楽しそうにニヤニヤしていて、
香澄は「志織って斎藤くんのこと好きなの!?」と
顔を近付けて聞いてきた。
即行否定したけど…。
山口さんはライバル宣言の次の日から、
斎藤に何かと用事を作って、
接点を持とうと
頑張って斎藤に話しかけていた。
斎藤は山口さんに話しかけられて、
特に表情を変えることはなかったけど。
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