東海の片隅で
[-劫火の英雄- 10.変異](1/5)
10. 変異
「ああぁぁあぁああああぁあっっ」
痛烈な悲鳴が研究所内に響き渡る。
「これは…どういう事だ…?」
国王の異常な様子を前にしてレイズは動揺を隠し切れずにいた。
「…やり過ぎたんだ」
「一体何が起きたんだ!?」
「とうとう限界を迎えたんだよ。
まあ、嘘偽りで塗り固めてあれだけの無茶をすれば無理もない。
フレイの強大な力に対して、身体の方が耐え切れず制御し切れなくなったんだ」
そして、恐らくはーー
アレンは国王の様子を注視する。
本来ならば、あの剣の力に耐え切れずそのまま絶命して終わる筈なのだが、しかしどうやらこの様子だとーーー
炎に包まれても尚、直立したまま震え続ける国王の身体。
その身体から明らかに“フレイの物ではない”不気味な『赤い光』が溢れ出している。
光はバチバチと火花を散らし、皮膚は焼かれて溶け落ちて、落ちたそれがみるみるうちに黒く膨張し変形していく。
「…始まったか」
書き直し 2018/04/16.shiro.
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