彼女にとって、今の僕は、
“知らない人”である。
知らない人と一緒にいるなんて、
怖いはずだ。
自己紹介をしてみた。
名前と年と学生であること、
そして、彼女と僕の関係だ。
(彼女が僕の知る彼女であって欲しいという僕の願望を込めて、僕の知る彼女との関係を話した。)
彼女は、ただ、僕の話に耳を傾ける。
ーーごめんね、僕は、嘘に真実を少しだけ混ぜた。
彼女がそれを納得したかどうかは、
定かではないが、
彼女が得られた情報はそれだけだから、
何も言わないのだろう。
ーーこれからは、僕は、嘘に嘘を重ねることになる。
僕の君への罪と罪悪感が増えていく。