ホテルで上司との関係
[抑えられない感情](1/31)
第8章 抑えられない感情


由子side


社長…眠ったかな


ちらっと隣で眠る狩生の様子を伺う

規則正しい呼吸が聞こえる



「良かった…おやすみになって
くれたみたい」



そう呟いて由子も目を閉じた


……緊張する


(ダメだ社長の隣はどうも緊張する)




なかなか広いベッド

由子は何度も寝返りをうった



その時

「由子。どうした眠れないのか?」



綺麗なテノールが暗闇に響いた

「すみませんっ…起こしてしまい
ましたか?」


「そんなことはどうだっていい。
それよりどうした?眠くないのか?」



狩生の声は優しく、安心してしまう


(すごく安心する)


狩生が身体を由子の方に向ける
ように寝返りをうつ


月明かりに照らされた狩生が
すごく色っぽくてドキッする


「い、え…そんなことは……」


「何か考え事か?ん?」



狩生は由子の頬に指を滑らせる



(社長どうしてこんな……私なんか
最近変だよ言い表せない変な
気持ちで胸がいっぱいで)


(これ以上由子を私の側には置いて
おけないなこれ以上側にいたら
もっと手放せなくなる)



それぞれすれ違う想いが苦しく
混ざり、脇上がっていた



まだ2人の気づかない確かな想いが
芽生えている



離れたくない

手放せない



この感情に気づくのは時間の問題
だった






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