ホテルで上司との関係
[想い](1/18)
圭一は部長室にいた


「おい。さっきの話は一体どういう
ことだ?」


「物分かりの悪い男だな。そのまま
の意味だ。理解しろ」


部長が優雅にデスクに座る

圭一はデスクを叩いて詰め寄った


「所属変更って朝倉はそれを
了解してんのか?」


「彼女が了解しようが、しまいが
関係ない。私の意思で変更する」


「ふざけるな!あいつの意思を尊重
するべきだろ。勝手なことするな」


(朝倉が了解しているなら……している
なら構わない。でも)


「それに昨日朝倉と1日いたそうだな。
あいつに何を吹き込んだ?」


圭一は胸を締め付けるように痛む
想いを押し殺す


「成田。なぜお前がそんなムキになり
腹を立てている?」


「……別に俺は」


「彼女に好意を抱いているのか?」


少し眉を寄せて部長が問う

「お前には関係ねえ」


(相変わらずわかりやすい男だ。
……図星)


部長がふっと笑う

「アンタこそなんで急に朝倉に構う
んだよ?あいつに惚れでもしたか?」


(っ私が惚れる?………まったく
馬鹿なことを)

部長は一瞬胸の核心部分が痛むのを
感じた


しかし


「そうだ、と言ったらどうする?」


部長は余裕の笑みを崩さない

綺麗な部長の顔立ちがさらに冷たく
みえる


(やっぱこいつの考えてることは
わかんねえ隙がないからか?
全く読めない)


2人の睨み合いは更に続く






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