ホテルで上司との関係
[狩生+成田 嵐の前の静けさ](1/16)
第3章 嵐の前の静けさ


翌日、由子は早めに出社した


(企画書は持ったプレゼンも大丈夫
忘れ物は無いよし。行かなきゃ)


何度も確認してはエレベーターの
前でモジモジする由子


由子は今から狩生部長のオフィス
へ行き、案件の許可、確認をとりに
向かうとこなのだ


(服装も、髪も大丈夫よし)


由子は普段使っている6階ではなく
部長室の12階のボタンを押した


「朝倉さんおはようございます」


「あ、おはようございます」


同じオフィスの人と挨拶を交わす



8階…9階……12階


着いた


部長室の前の廊下はシンと静まり
冷たさと気高さに溢れている



由子は部長室をノックする

コンコン


「朝倉です。先日の件で伺いました」


「入れ」


中からは冷たいが美しいテノール
の声が響く


「失礼します…」


「成田から話は聞いた。企画書は
どこだ。見せてみろ」


「は、はいっ」


部長室は乱れもなく整えられ、
上質な物が揃っている

そんな部屋の中央に座る部長は
気品と気高さに溢れ美しいことこの上
なかった


部長が企画書を受け取り目を通す



「……これを作ったのは君か?」


「は、はい…」


(やっぱり出来が良くないかな)


「なかなかよく出来ている。
いいだろう。これで進めろ」


部長が綺麗に微笑する


「あ、ありがとうござ…あ、いや
恐れいります…」


(部長に褒められちゃった)


「案件の方もいいだろう。許可する。
君はなかなか使えるな」


部長はペンを手から放すと由子に
目を向けた


「いえ…あのそんなことは……」


「あの男の後輩とは思えないな」


「え……」



その時部長室のドアが勢いよく
開いた




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