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◆別れた関係 (1/1)

白波圭介と水川ロサ,2人に交わされた関係。





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ロサ「寒っ…かなり冷えるね。」


圭介「………。」



無口で愛想ナシ。


それなのに気性が激しくて短気。


相変わらず呆れる…


だいたい何で私が圭介に会いに来てるの?


実は圭介にまだ未練があるとか。


マジでやめてよ(笑)



ロサ「ねぇ,黙ってないでさ…なんか喋ってよ。」



圭介のバイト先の店の裏側で街灯に照らされた二人。


寒さもいっそう強くなる中で,私は圭介の言葉を待ってる。



圭介「…これで満足かよ。」


ロサ「は?私は関係ないし。」



何それ


第一声がそれ?


圭介は私と別れて良かったって思ってるの?



圭介「お礼なんて言わない。過去の事も振り返る必要はないしな。」



まさか勘違いしてる?



ロサ「ちょっ,ちょっと待ってよ(笑)私がしたとでも思ってんの?」


圭介「どうかな…。とりあえず別れて正解だった。」



店の裏側で圭介が言った言葉に胸が痛くなる私。


その無愛想な表情にどれだけの意味があるの?


馬鹿じゃない…


マジでくだらない。



ロサ「なら標的になれば?別に圭介を心配して会いに来た訳じゃないんだから。」


圭介「そうかよ。なら帰れ。」



マジでムカつく。


その態度。



私は熱くなった心をぶつける様に圭介に近づいて顔を強くぶった。



圭介「!!!」


ロサ「調子に乗らないで。」



私の心って何がしたいのかわからない。


でも嫌なんだ。


別れたって変わらない


こんな関係も…



圭介「楽しいかよ。それで満足か?そうやって自分の優越感に浸って。お前なんだろ?」


ロサ「でたよ…。圭介ってマジで最低だよね。理由なんて簡単だよ。どうせメールがきてしたんだって私はすぐにわかったから。何?それがいけない訳?こっちだってメールがきてんの!!!それで私がしたって思ってる訳?馬鹿じゃない!!!」



あんたの闇なんか背負うつもりなんてない。


あの約束でさえ意味がないこんな関係じゃ…



圭介「もうどうでもいい。見えないものに振り回されるのも。誰が嘘をついてるかさえわからない。その手の上で転がらせながら,ただの操り人形の様に動く。ダメな奴は孤独という名の地獄。ビクビクして学校生活を送るなんて笑える。皆,死ねよ。」


ロサ「そうだよね(笑)じゃあさ,苦しんでる妹にもその言葉を言いなよ。喜ぶんじゃない?」


圭介「テメェ…マジで殺すぞ。」



他人である事は相手の世界を見る事がない。でも,少しでも近づけば知りたくない事だって知ってしまう。それが人と人の関係。裏の部分が見えてしまうと自分の想いまで変わってしまう。


だから私は会いに来たんだ。


圭介に…



ロサ「圭介も変わんないよ。あのクラスの一人になっちゃったんだから。」



あんたの闇なんか…


あんたの闇なんか…


知るんじゃなかった!!!!





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私はベッドの上で天井を見ながら,白波が西島くんを殴った事をずっと考えていた。


なんで白波があんな事をしたんだろう。


もしかしたら白波の意思でした事じゃないのかも。


やっぱりあの暗号メールと関係が…


クラスメートたちにメールが一斉にきたのも何かのアイズなのかなって思えてしまう。


西島くんを標的にするみたいに。



結局,石上くんと同じだよ。


西島くんは大丈夫かな…


心配する気持ちが私の心をまた重くする。



咲 「ふぅ…。」



やっぱり…


誰かがこのクラスを操ってる?


かもしれない。


あの席番号も暗号も知ってる人にしか伝わらない様にしてる。



私は右手を両目にあてて,わからなくなった自分の頭の中を隠した。





[カチ…カチ…カチ…カチ…]





掛け時計の音が聞こえる。


時間が止まらない事を知らせてる。



咲 「明日,学校に行きたくないな…。」



突然言われた適合試験…


明日は月曜日。


何かわからない事だけに憂鬱さを感じる。


恐さも…



咲 「休みが終わるの早いよ。」



ずっと休みたい。


疲れた心を癒す時間が欲しい。



咲 「はぁ…。」



明日…


何があるのかな。



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