6×6BLOCK


◆妨害 (1/1)

咲は真実を知るために行動する。でも…





私は屋上の冷たい風を感じながら,昔と今の自分を見比べる。


新しい学校生活ができるなんて浮かれてたけど,結局なにも変わらない。


前の学校みたいに酷いイジメなんて受けないけど,このクラスに落ち着けない私。


やっぱり理想の学校なんてないのかな…


わからない事が多過ぎる2ーAというクラスに迷い込んでしまったけど…


その謎に私は深入りしちゃダメなの?


私の行動は間違ってる?



利香…



教えてよ。



咲 「………。」



村上さんが言った事。



白波がイジメをしていた事実。


本当なのかな…


出会ってそんなに経ってない私だから見えないの?


でも…考えられないよ。


白波がイジメをしていたなんて…



それに,自己評価を作った人物が村上さんじゃないならいったい誰が…


ちゃんと確かめないと村上さんが言った事が本当かどうかなんてわからないよね。



疑問を解決するために歩き出した私は,階段を下りていく。


そして,廊下を進んで私が女子トイレの前に来た瞬間だった…



清水「篠山。」



えっ…


私の名前を呼ぶ声が聞こえる。


背後から聞こえたその声に…


私の両足が止まった。



咲 「………。」



正直,振り返りたくない。


私には誰だかわかってるから。



咲 「私に近づかないで…。」



まだ昨日の事が残ってて,体が硬直する私。



清水「昨日はごめんね(笑)」



笑いながら言ってる。


その気持ち悪い声を聞くだけで小刻みに震える両足。



清水「ファーストコンタクトは失敗したけど…でも,僕はまだ諦めてないから。篠山はきっと僕のものになる(笑)君はもう天の目からマークされてるからね。助けてあげれるのは僕しかいない。いつか僕に泣きついてお願いしにくるよ。その時は僕が守ってあげるからね。」


咲 「…言ってる意味がわかんない。マジでウザいからやめて。」



口では強がってても



ドクッ…ドクッ…ドクッ…ドクッ…



鼓動が激しくなり


震えるほど恐怖を感じる私。



何…


マジで怖いよ。



清水「篠山って強気な女の子なんだね。理想通りだよ。プロフに書かれてあったのと同じ(笑)」



プロフ?


そんなの私は知らない。



清水「あぁ〜あと何をしようとしてるのか知らないけど,白波は信じない方がいいよ(笑)SEVENもね。アイツらは僕みたいな人間を見下す汚れた人間だから。気をつけて。あと,探るのはもうやめた方がいいよ。篠山が何をしたって変わらないから。それに君のせいで被害を受ける人も出るかもしれない。よく考えてね。じゃあね,咲(笑)」



ゾッとする私の背後から,離れていく足音。


それを聞いた私は急いで女子トイレに駆け込み,鏡の前で恐怖心を必死に取り除こうとする。



咲 「今のなに…。マジで意味わかんないよ。」



プロフってどういう事?


私がマークされてる?


私が何をしたってとめられない?


私のせいで被害を受ける人が出る?



なんで村上さんもあの人も,私がしている事を知ってるの?



心が迷走していく中で…



咲 「………。」



私は自分の顔を鏡で見つめながら,決意を強くしていく。


震える体を,両手で抱きしめる様に抑えて視線を強くして。



わからない事だらけだけど


それでも私は…



咲 「真実が知りたい。」



だから…


私は絶対に負けない。


今までそうしてきたんだから。


どんな事があったって…


どんな最悪な状況でも,私は必死に耐えてきた。


だから私は前に進む。





携帯をポケットから出して時間を確認する。


昼休みは後少し,まだ時間はあるよね。


一つ一つ解決していかないときっとダメだから。





私は女子トイレから出た後,職員室に向かった。


それは村上さんが言った事を確認するために…


そう,白波が過去にイジメをしていたのが本当なのかを知るために。





しばらく廊下を歩いて,階段を下りた私は職員室の前まで近づいた。


その時,私が来るタイミングと同じぐらいに職員室のドアがゆっくりと開いたんだ。



[ガラガラガラ…。]



怜香「あっ!咲。探したんだよ。ここにいたんだ。急にいなくなったから,どこに行ったのかと思って。」



職員室から出てきたのはレイだった。


全てが不自然に思えてしまう私。



咲 「レイ…。ごめんね。ちょっと用事があってさ。吉武先生は職員室にいる?」


怜香「吉武先生?なんか今はいないみたいだよ。私も先生に会いに来たんだけど,いなかったから。」



先生がいない。


なんか都合が良すぎる様な…



咲 「そっか…。」


怜香「もうすぐ昼の授業が始まるよ。咲,行こ。」


咲 「う…うん。」



先生がいないならしょうがないよね。


また別の時間に聞けばいいし。



私はそう思いながら職員室をあとにし,レイと一緒に2ーAの教室へと戻っていく。



その時だったんだ。





[カチャ…]





レイのポケットから携帯とメモ用紙が落ちたのが見えて,私はしゃがんでゆっくりと携帯を拾う。



咲 「レイ。」


怜香「ん?どうかした?」



携帯とメモ用紙を拾った私は自然と携帯の画面が目に映った。










[From.2ーA連絡会]



[12・A:TR→O]










これって…



私にも来た暗号のメール。



12って



私の番号じゃ…





怜香「あっ!!ごめん。携帯…ありがと(笑)」



携帯を私の手から急いでとって,作り笑いを浮かべるレイ。


そして…


それを見た私は,時間が止まった様に立ち尽くしていた。



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