6×6BLOCK


◆登校日 (1/1)

登校日に何かを感じる。





私は小中高と酷いイジメに遭ってきた。


それは私の性格が強気なせいで。



咲 「行ってきます。」


母親「今日は初日だから頑張ってね。」



正直

イジメの対象になる様な女の子じゃなかったけど

簡単に言うと

私はいつもイジメを受けている友達を助け続けていたから。

だから対象になった。


自分からなったのと同じかもしれない。

笑えるよね…

そのおかげで毎日楽しい学校生活がおくれて

体に傷をつける事が度々あったけど。


あっ……心もね。


酷いイジメもたくさん経験した。

こんなことする自分が強いとは思わない。

だって

自分の部屋で何度も泣いた事がある。



自殺だって未遂までいったし。

リスカはさすがにしなかったけど。



それでも

私は自分がした事を正しいと信じ続けたんだ。

それだけが唯一の救いだったから。

見てるだけの加害者には絶対になりたくなかったし。



それって偽善?


そうかも……




でも

それも今日で終わり。


高2になって転入……

これで新しい学校生活が歩めるかな。



私は

見慣れない街をゆっくり歩きながら

転入先の高校へと進んでいく。


新しいスタートを祝福しているかの様に

今朝は空気が澄んでいて

進む道も明るく感じた。



そして

学校へと入った私は

真新しい制服を直しながら

担任の紹介でクラスへと呼ばれた。



先生「えぇ…今日から新しくこの2ーAの仲間になる転入生だ。自己紹介をしてもらってもいいかな?」


咲 「はい。私は篠山咲といいます。これからよろしくお願いします。」



胸がドキドキしながら自己紹介する私。



「よろしく〜。」


「転入生って女子だったの?」


「知らなかったの?マジでダサ…(笑)」


「おいお〜い(笑)」



教室中に聞こえる生徒たちの笑い声。


なんか雰囲気は良さそう。


クラスの感じもイジメがなさそうだし。


……ってまた考えてる。


新しい学校生活で1番にそれを考えるなんて馬鹿げてるよ。


とにかく友達を早く作らないと。



先生「これからよろしくな。じゃあ,篠山は窓側から2列目の4番目の席についてくれ。あそこが空いてるから。」


咲 「はい。」



私は緊張しながらも

ゆっくり歩き

先生から言われた席についた。



怜香「篠山さん,よろしくね。私は怜香だよ。席が隣だからいろいろ教えてあげるね。」



私が席についても緊張を隠せないでいると、窓側の隣の席に座る1人の女の子が話かけてくれた。


綺麗なストレートの長い髪で

色白の笑顔がとても可愛い女の子。


親しみやすそうな表情に

私も自然と言葉を返していく。



咲 「ありがとう。」



何か今までにない感覚……


きっとこれから楽しい学校生活が


スタートする様な気がした。



怜香「名前はレイでいいから。篠山さんも咲って呼んでいいかな?いきなり馴れ馴れしいよね。ごめんね。」


咲 「全然いいよ。今まで咲って呼ばれてたから。」



緊張していた心が一気に和んでいくのを感じる。


良かった……

隣の席が優しそうな人で。



それから私は早速授業を受ける事になる。

授業を受けながらも新しい環境にぎこちなさを感じて周りを見渡す。


イジメを受けてきたせいか周りにも敏感になり過ぎていて授業にあまり集中できない。


そんな中

私はある疑問が浮かんだんだ。



なんでこんな中途半端な所の席が空いてるのかと。

黒板の上の時計を眺めながら考える。



いや

考え過ぎだよね……

きっと。





しばらく授業を受けた後

お昼休みのチャイムが鳴り

私は少しだけ仲良くなったレイの誘いで

屋上へ行き一緒にお弁当を食べる事になった。



怜香「ほらほら!咲!!ここで食べよ(笑)」



屋上の端にはしゃぎながら座るレイ。


私も仲良くしてくれる事が嬉しくて笑顔になって、隣へと座った。



咲 「いいよ(笑)」


怜香「天気が良くて最高だね!!私はいつもここでお弁当を食べてるの。」


咲 「ふぅ〜ん。そうなんだ。」



たしかにここは景色も良くて風も気持ちがいい。


こんな事

前の学校ではなかった経験。

屋上は禁止だったから。


でも

なんでレイはこんなに私と仲良くしてくれるのかな。



咲 「ねぇ…あのね。なんでそんなに親切にしてくれるの?ごめん,変な事聞いて…。」



私が自然に出た言葉に

少し動揺を見せながらも

レイは



怜香「う,うん。実はね,仲がよかった友達が転校しちゃってさ。私,友達が少なくて。咲を見た時,きっと友達になれるって直感が走ったの。馬鹿でしょ(笑)」


咲 「そんな事ないよ。凄く嬉しかったから。そっか……友達が転校したんだね。」


怜香「うん……。まぁ〜そんな事はいいから早く食べよ(笑)お腹すいちゃった。」



何か悲しそうな表情……


私の中で


その表情に


何かを感じとっていた。






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