不器用恋愛
[EPISODE 2](17/17)



その後、運転席に乗り込む間村龍。


「軽く誘拐です」



少しだけ睨みつけながら。
間村龍に訴えかける。



「同意のもとです」


だけど間村龍はケラケラ笑いながら。

ああ、もうこの人には何を言っても通じない。
常識がない。絶対年上なのに。


いつの間にか車は発車されていて。
慌ててシートベルトをつける私。



「お、偉い偉い。」



絶対思ってないような言い方で。
だけど片方の手で私の頭を撫でて。


顔だけはいいから。
超絶ムカつくんだけど、男慣れしてない私からするとドキッとするのはたしかなこと。



「じゃ、デートといくか」



楽しそうに。嬉しそうに。
微笑みながらそんなことを言う間村龍。



何がそんなに嬉しいっていうんだ。
私たちは別に親しい関係じゃないじゃないか。
ただ偶然が重なっただけの関係じゃないか。



「私は家に帰らせて欲しいんですけどね」



そんな顔を見るのが少し耐えれなかったから。
少し反抗する。嬉しそうな顔なんてゴメンだ。


だけど、通用しなくて。




「ん?初っ端からお家デート?しかも女の方の家に?こりゃ大した積極的肉食女じゃねえか真由ちゃん」


「はあ!?」


「積極的なのは好ましいけど俺のプライド的に最初に行くなら俺の家だな。真由ちゃんの家より」


「どんなプライドですか。てかまず私ただ1人で帰りたいだけなんですけど」


「恥ずかしがるなって、可愛いだけだから」


「かわっ!?!?」



ああ、ダメだ。慣れてないのがバレる。
思ってもないけど男の人から可愛いなんて言われたの初めてだからそりゃ動揺するわ。


まず恥ずかしがってないです。
逆に今の状況が恥ずかしいです。



「てか、本当にどこ行きたい?」


絶対どこかには連れていかれるのね、私。



「だから、帰らせてくだ「家以外で言えよ」


普通に言葉遮られたんですけど。



もういいや、この人絶対頑固だ。
何言っても帰らせてくれなさそう。
こりゃ適当にどっか行って早く切り上げた方がマシみたいだ。



間村さんの好きなとこでいいです」


それでも別に行きたいとこはないから。
あなたが場所は決めてください。



「ん、了解」



車はどんどん街の方へ進んでいく。

あれ、そういえば私男の人と2人で遊ぶの初めてじゃない?いや遊ぶって言えるのか分かんないけど。

あーあ、まさかの初めてデートはこの人となのか。
こりゃ不幸だ。私不幸だ。


そんなことを思ってる間にも車はどんどん進んでいく。



どこに向かってるのか。
それはこの人しか分からない。





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