プラシーボ
[奮励努力](2/81)
「確かに外傷はないな、けど、魔法使えねえだろ?」
「そんなこと……」
神に言われて気づく
魔力の波動が感じられない
「俺は闇の魔法は専門外だが、麻里が扱えてな。お前と影浦の戦いの様子も見ていたわけだが、影浦の使った魔法は【影断】、あいつの最も得意な魔法だ、いや、得意っつうか、あいつが扱う中で最強の魔法だな」
【影断】闇属性の魔法で殺傷ランクはA
春樹もその名前ぐらいは知っている
実際に体感するのは初めてだが……
「【影断】が断つのは身体ではなく精神、故に物理的防御は意味をなさず、相手が扱うことを知らなければ一撃必殺、気づくこともなくあの世行きだ……が、まあ影浦も反省してたよ、さすがにやりすぎたってな」
やりすぎ……か
確かにいくら魔法制限をつけていない訓練とはいえ、相手を死に至らしめるような魔法は自粛されている
だから影浦も当然加減はしていたはずだ
だから春樹は生きている
しかし、これが本当の戦いなら……
もちろんそう仮定するのは見当違いだとわかってはいる、理解してはいる
だが……
「大丈夫です、感覚がないだけで魔法が使えなくなったわけじゃありません」
「うるせえよ。参加はさせないこれは隊長命令だ」
珍しく、神から強い言葉がかけられる
「ですが……」
「ですがじゃねえ、お前がなんと言おうと今日の訓練には参加させない」
そういうが早いか、春樹の体は見えない何かで拘束された
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