プラシーボ
[禍福糾縄](1/91)
カチコチカチコチ
カキカキカキカキ
スピー……スピー
「今日はこの辺りにしておきましょう」
パタンと本を閉じる音と共に結弦がそう言う
「ぐぅ〜結構進んだぜ」
大きな伸びをしながら陸がそう言う
ポキポキと背中を鳴らしているところを見るとかなり疲れてそうだ
「ほら瑞穂起きないと、帰るよ」
「あと5分……」
その隣では机に突っ伏した瑞穂を千里が揺すっている
瑞穂もかなりの時間頑張っていたので結弦も大目にみたようだ
「さて、帰り支度するか」
「そうね」
「ありがとね春樹、僕にもいろいろ教えてくれて」
源季は補修の課題、春香は一緒に夏休みの宿題
範囲が被っているのが幸いして春樹でもなんとか二人の相手ができた
結弦に任せても良かったのだが、それは流石に負担が大きすぎる
もちろん結弦は気にもしないのだろうが
「それでは明日も今日と同じ感じで、今週中に目処が立つぐらいは終わらせちゃいましょう」
笑ってそう言う結弦だが、それはかなり非情な案件だと思う
如月学園の夏休みは約40日、その期間の課題を一週間で終わらせようとしているのだから
まあ今日までしっかりと計画を立てていれば半分は終わらせておかないといけない日にちなのでなんとも言えないし
すでに終わっている結弦に対してはなおさら何も言えなかったりする
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