プラシーボ
[粉骨砕身](1/67)
『う〜頭がこんがらがるぜ』


時刻は午前7時、魔科学研究部の面々はすでに部室に揃っていた


陸は唸りながらも残った資料に目を通していた


『ほらあとちょっとだから頑張って陸。相手の戦い方を知ってるのと知らないのじゃ全然違うのはわかったでしょ?』


そんな陸の隣で千里が励ましながら同じように資料に線を引いたり書き込んだりしている


元から勉強嫌いの強い陸は頑張ったのだが、残念ながら昨日だけでは終わらなかったようだ


千里の面倒見の良さが遺憾なく発揮されている


とは言っても他の面々もそれほど余裕があったわけではなく、春樹の隣では瑞穂が春樹にもたれかかって寝息を立てているし、春香もウトウトしていた


『試合開始は9時からですからもう少しゆっくりしていてください。陸君、無理せず残りは自分が『いや、大丈夫です!あと5分いや10分で終わりますから!』……わかりました』


なぜこんなに早く来ているかといえば、結弦が無理をしないようにするためだ


なんとなくわかっていたが結弦はなんでもやり過ぎる


出来てしまうから、いや、やってしまうからなのだろうが、それがこと今回の模擬戦に関しては顕著だ


そのため春樹は半ば見張りのような形で陸たちに同行するようにこんな早くに学校に来ていた


春樹が来れば当然春香も来るし、なぜか瑞穂もついてきていた


暇だからと源季はむしろ楽しそうに、というより誰よりも早く来ていたりした


手持ち無沙汰の結弦は昨日まとめたのであろう自分用の資料に目を通している


しかしおそらくすでにその内容は頭の中にあるのだろう、すぐに顔を上げて視線を様々な場所に向ける


こんな落ち着きのない結弦を見るのはもちろん初めてだった


基本的にいつも何かしている人間から作業を取り上げるとこうなってしまうという典型な気がした


『音羽さん、少し外に行きませんか?』


隣の春香が寝息を立て始めたのを確認して、瑞穂を起こさないように立ち上がると春樹は結弦をそう誘った





- 432 -

前n[*][#]次n
/1236 n

⇒しおり挿入


⇒作品レビュー
⇒モバスペBook

[編集]

[←戻る]