また、君と【番外編開始】
ニ章 ここは何処ですか? ( 1 / 8 )
「まぁ、異人かしら―…。」
「だめよ、目を合わせちゃっ!」
ヒソヒソと話ながら
私を通り過ぎる
人々―…。
『だ―――――!
五月蝿い、誰に向かって
異人てほざいてんだよ!』
ガバッと起き上がると
人々はそそくさ
通りすぎていった。
『何なんだよ、一体―…て
あれ? 』
私、車に引かれたんじゃ…
どこも怪我してないし…。
確かに自分が死んでいく
感覚だったのに…。
『あ…ぁ…』
思い出しただけでも
震えがとまらない。
恐かった…
恐かった……。
もう…あんな気持ちには
味わいたくない…。
「キャァァァァッ!」
ビクッ
『叫び…声……?』
たしかに、女性の
叫び声が聞こえた。
私は立ち上がり、
叫びがした方へと
足を向かせたが……
止めた。
私の顔は冷や汗が
出てくる。
だって、今気付いたんだもん。
周りの人は皆、
着物・袴の人しかいない。
私は制服……。
浮いてるなぁ…。
『――て、そんな事は
どうでもいいんだった!』
私は叫び声が聞こえた
方へと走っていった。
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