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三章 巫女神楽と祭 (1/15)
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翌日、マナの体調はだいぶ良くなった。
やっぱり一晩中ついていたのが良かったみたいだ。
その分、俺は寝れてなくて眠いんだけど。
あくびを噛み殺しながら朝飯を食べる。
マナの部屋で二人だけの食事。
「そう言えば、神楽はどうするんだ?」
今更やめるのは難しいのかもだけど、無理はさせたくない。
「もちろん、やるさ。・・・といか、祭事は基本的に力が高まるし、更に神楽を舞えば力がだいぶ回復するからな」
「へ? そうなの?」
初耳だ・・・てか、知らないことが多すぎるよな俺・・・
「これから事前にちゃんと説明するから」
ちょっと凹んでいると、マナに気づかれたみたいでフォローされる。
「それに、神楽を利用して一気に暗示をかける」
「え?」
「今までのものは一時しのぎだ。神楽を利用して力を使えば、一斉に確実な暗示をかけられる。だからこそ、巫女神楽は舞わなければならない」
ああ、だからずっと練習してたんだ・・・と気づいた。
神楽の力を最大限利用するために、失敗は許されないから。
「そっか、じゃあ俺も伴奏トチらないようにがんばんないとな」
「ああ、頼んだぞ」
マナは嬉しそうな笑みで。
今はその笑顔を見れるだけでいいと、沸き上がる想いを押し込めた。
それから祭りまでの二日間。
俺はマナと巫女神楽の練習をして過ごした。
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